苦渋の決断となりましたが、皆様のご理解を賜りますよう何卒お願い申し上げます。 (2021年6月18日 掲載)
くらら開館5周年記念 アンサンブルシリーズ第1弾
イ・ムジチが奏でるヴィヴァルディ「四季」は、永遠のベストセラー
~現存の室内アンサンブルとしては世界最古。室内楽の生ける歴史、イ・ムジチ~
時を重ねることで熟成し味が良くなるワインのように、
70年もの長きにわたり培ってきた演奏技術を着実に継承、その歴史を現代音楽界に刻んできた。
そこには、今日まで愛され続ける理由がある。
イタリアの高く突き抜ける青空のように明るい彼らのサウンドは、
今までもこれからも、人々の心を幸福感で満たしてくれることだろう。
《予定演奏曲》
ヴェルディ/オペラ「ナブッコ」から 序曲
ヴィヴァルディ/ヴァイオリン協奏曲集「四季」
イタリア映画音楽(エンニオ・モリコーネ、ニーノ・ロータ等)ほか
※曲目・曲順は変更する場合があります。
《イ・ムジチ合奏団 プロフィール》
イ・ムジチが歩んできた道のりはとてもユニークだ。1951年にローマのサンタ・チェチーリア音楽院の卒業生12人が結成して以来、今日まで精力的な演奏活動を続けており、現存の室内楽アンサンブルとしては世界最古となる。その活動の主たる功績として挙げられるのが、忘れ去られていた18世紀の名曲を掘り起こして再びスポットライトを当てたこと、またバロック音楽の傑作の数々を率先して録音してきたことだ。ヴィヴァルディの最高傑作として名高い「四季」を現代に紹介したのはまぎれもなくイ・ムジチである。今ではクラシック音楽の大定番として親しまれている同曲だが、イ・ムジチが幾度となく録音を重ねてきた「四季」のレコードやCDは、今日までに延べ2千5百万枚が世界中の人々の手元に渡っている。
1970年代には、クラシック音楽界の先駆けとしてコンサートの映像収録を行ったほか、初めてのCDをフィリップスで録音した。現在のレパートリーは18世紀から現代の作品まで幅広く、ニーノ・ロータ、エンニオ・ポリーノ、ヴァレンティーノ・ブッキ、ルイス・バカロフ、坂本龍一、エンニオ・モリコーネなど、多く作曲家たちからも楽曲が贈られている。
これまでに世界各地の主要な都市の劇場やホールで演奏しており、訪れた土地は数えきれない。各地で、幅広い世代のファンたちと強固な信頼関係を築いてきた。
結成70周年を迎える2021/22年シーズンは、ヨーロッパ各国、アメリカ、中国、日本、韓国での記念ツアーが予定されている。2022年3月30日には、1952年3月30日のデビュー・コンサートを記念した特別演奏会がローマで開かれる。
イ・ムジチは、旧フィリップス・レーベルと長年にわたり専属契約を結んでいた。18世紀から20世紀の至宝の数々を収めたディスクは、フランス、オランダ、ドイツなどでレコード大賞を度々受賞しており、とりわけヴィヴァルディの「四季」には、プラチナムディスク大賞(ゴールドディスク大賞の上位にあたる)の称号が与えられている。近年は、ユニバーサル・ジャパンや、フォネ、ダイナミックレーベル、エピックレコード・ジャパン、ワーナー、ソニー・クラシカルなどのレーベルからCD、LPを発売しており、ソニーから発売した7度目の「四季」は記憶に新しい。2017年には、アルブレヒト・マイヤー(オーボエ)との共演で「イタリアの至宝」がドイツ・グラモフォンより発売された。
これまでにメンバーの入れ替えはあったが、その都度厳正なオーディションをメンバーたちが自ら行うことで、結成当初の信念や、培ってきた演奏技術を着実に継承してきた。最近は、音楽がより良い世界をつくる、という考えのもとに、特に若い世代への音楽教育活動を熱心に行っている。『音楽』という至福の贈り物を人々に届けたいと願う気持ちが、イ・ムジチが今日も愛され続けている秘訣なのかもしれない。